こんな疑問に答えます。
この記事を書いている僕自身、今まで自分の商品や他の人からの依頼も含めて100個以上のオリジナル商品を作っています。中には金型を作って失敗した事例もあり、そのあたりの経験を踏まえて中国での金型でのオリジナル商品作りについてお話します。
中国で金型を作って失敗する事例を公開
僕自身、今までにたくさんの金型を作って日本でも商品を販売して来ましたが、中国での金型を使った商品作りは、工場選定が非常に重要です。
なぜ工場選定が大事なのか?
まずは第一に中国には数えきれないぐらいの工場があるのですが、工場のレベルの差というのは非常に大きいという事を理解しておいて下さい。
そして、各工場によって出荷先が異なり、日本向けに出荷経験があるという工場はまだマシなのですが、中にはアフリカなどの発展途上国向けに商品を作っている工場もあり、そういう工場では日本の百均でも売れないような品質レベルのものもあり、本当にひどいです。
なので、下記のような工場には注意してください。
①安さをアピールしてくる工場
②実際に工場は持っておらず代理店の工場
③日本語が話せるスタッフがいる工場(例外有り)
では、どのような工場で金型の商品を作らない方が良いのか?についてもう少し詳しくお話してきます。
アリババなどで安さを重視して見つけた工場
既に既存の商品を持っていてHPやネットショップを持っている人に、工場から「商品を作りませんか?オリジナル商品を作るのを手伝いますよ」といった連絡が来る事があります。(Amazonで商品を販売していてもそのようなメールが来る事がよくあります。)
僕自身も物販を始めて1年ぐらい経過した時に、資金もある程度出来てきて、そろそろOEMを考えていた時にそのような営業メールが来ました。
当時は、カメラのカバーを売っており、お客さんからももっとこうした物が欲しいと・・という意見も貰っており、他にも色々な工場で見積もりを取っていましたが、この営業メールでもらった工場の見積もりが他よりも20%程度安く、メールの内容も日本語で書いてあり丁寧だったので、そのまま信用して注文してみました。
工場から提示された価格などは下記のような感じでした。
金型費用:60万円
商品単価:500円
最小ロット:1000個
納期:サンプル確認後から1ヶ月
支払い条件:最初に手付金で15万円(当時の1万元)、初回サンプルを確認した後に35万円、そして出荷前に残りの10万円
支払いの条件も安心できる形で、東莞の工場(当時僕が住んでいた場所から2時間程度の距離)だったので、何かあればその工場に行けばいいや・・と思い、そのまま手付金を支払い、設計図を渡して作ってもらいました。
約2週間程度でサンプルが出来上がりイメージ通りだったので、そのまま35万円を支払い量産をお願いしました。
その後、1ヶ月で量産の商品が出てきたのですが、これが最初のサンプルとは違い品質もかなり悪く・・カメラにはめて確かめて見たのですが、隙間が出来ており、カメラカバーとしては厳しい商品でした。。
この事を工場側に伝えると、金型がうまく出来ていなかったので金型を修正して再度作り直すと言われ、追加費用も請求無しで再度作り直す事になりました。
また3週間ほど経過した後に再度サンプルが出てきたのですが、今度は前回と違う部分の不具合がありました。。
この時は工場ともスカイプでやりとりしていたのですが、話しているとどうも話しが噛み合わない部分があり、何かおかしいと思って、次の日に工場に行く約束を取りました。
翌日工場に行くと、そこは工場では無くオフィスになっていて、過去に作ったサンプルの商品などは展示されていましたが、「工場はどこ?」と聞くと、「工場は外部にあり、そちらはお見せ出来ません」と言われました。
この時分かったのですが、彼らは自分の工場があると見せかけて、お客さんからの注文はすべて外部に外注に出して、そこで利益を取っている形でした。
日本語が話せるスタッフもいましたが、会ってみると、大学を卒業したばかりのスタッフで金型についてもそこまでよく分かっていない感じで、いくら話しても「後日確認して連絡します・・」という形で言われました。
結局、その後は何度もやり取りしていたのですが、うやむやにされて・・1ヶ月後ぐらいには連絡が取れなくなったので、そこのオフィスを行くとオフィス自体がなくなっており、レンタルオフィスとして賃貸の看板が出ていました。。
広州交易会などの展示会で見つけた工場
広州交易会などの展示会で工場を探す方も多いと思いますが、広州交易会では大きな工場が来ている事も多く、最小ロットがかなり大きい場合が多いです。
僕自身も広州交易会で良い商品があったのですが、「もっと改良した方が売れるから金型を作って形を変えれないか・・・」と交渉しましたが、ロット数が最低1万個から・・などかなり強気な感じでした。
他にも、金型を作って仕様を変えれる工場もありましたが、あまり良さそうな工場ではなく、代理店のような雰囲気だったのでやめました。
では、広州交易会に参加しているバイヤーなどはどのようにやっているのか?
広州交易会には、日本のバイヤーもかなり数多く参加していますが、彼らの方法としては、日本ではまだ売られていない商品の日本での独占販売権を取って、その会社の名前のまま、もしくは、自社ブランドに変えて日本で売り出しているので、中国の工場で金型も作らず、リスクも低い形を取っています。
※ただ、代理権などを取る場合は、日本での販売実績や毎月の販売ノルマなども課せられる事もあるので、このあたりやってみたい方はぜひチャレンジしてみてください。
広州交易会への参加方法や交渉方法などはこちらでも書いていますのでぜひご覧ください。
中国で金型を作って成功するにはどうしたらいいのか?
中国で金型を作って成功させるには、下記の2パターンだと思います。
①簡単なロゴを入れるだけのOEMなどで対処する(金型は作らない)
②本当に信頼のおける工場を選定して金型を作る
では、それぞれ簡単に説明してきます。
①簡単なロゴを入れるだけのOEMなどで対処する(金型は作らない)
上記の広州交易会などの展示会などで見つけた工場でロゴを入れるだけのOEMを行うのは一番リスクが低く金型も作る必要がないので安心です。
ロゴを入れるだけであればアリババなどでも工場は見つける事が出来ますので、色々探してみてください。
アリババでの工場選びの方法は下記でも書いていますので見てみてください。
ただ、どうしても希望のものがない場合は、一から金型を作って商品化する必要があります。その場合は、本当に信頼できる工場に依頼するようにしてください。
②本当に信頼のおける工場を選定して金型を作る
自分で工場を選定して作る場合、まずは必ず工場に行った方が良いです。
実際そこで工場の規模や作っている品質レベルを確認する事が大事で、過去に日本への納品実績などがあるかも確認して下さい。
実際工場に行けないという場合は、信頼できる代行業者などに依頼するのがおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
中国での金型作成は簡単に見えて工場の選定などを間違えると大変な事になりますので気をつけて行なってくださいね。
また下記の記事なども参考になると思いますので読んでみてください。