日本ではコストが合わないから中国で金型を作って商品を作ってみたいけど、費用、値段は?実際の手順は?ちゃんとした商品が届くのかどうか不安。
色々な不安があると思いますので、本日は、写真付きで実際に金型工場をご紹介したいと思います。
この記事を書いている僕は、中国在住9年で、現在は自分の独自商品を販売しつつ、個人や企業からの貿易コンサルもしています。
※今回の工場は、クライアントの方が実際に金型を作った深センの工場となります。(香港から車で1時間30分ほどの距離にある工場です)
中国にある金型専門工場へ
金型工場内にあるオフィス。
金型製造部門の2次元CADや3次元CADを作るスタッフだけでも10名以上いて、社内ですべて完結する仕組みができています。
まずはどんな金型を作っているのか?金型を使って出来たプラスチック成形のサンプルを見せてもらいました。
小さい機械の部品などがたくさんありました。
その他にも車の部品なども。。よく見るとスズキやベンツの金型も作っていて技術力はピカイチのようでした。
金型でどんな物が出来るのか?を見た後に、早速金型を製作している現場の方へ移動しました。
金型製作の流れは主に下記のような感じです。
1.打ち合わせ
2.金型設計・加工データの作成(工程設定/3Dモデリング/シミュレーションによる確認/金型設計(2D,3D)
3.金型加工
4.金型の仕上げ・組立
5.動作チェック
さて、では早速、金型工場の現場のご紹介です。
まずは、最初に金型設計を行い、その上で不備がないか確認した後に、試作品を作ります。
そして問題なければ、金型の本製作に入ります。
油で冷やしながら30〜90日ほど掛けて機械でゆっくりと時間を掛けて創っていきます。
機械で金型を作った後に、職人さんが手でひとつひとつ磨いていきます。
やはり細かい部分は機械ではダメで、目視しながらひとつひとつ作るので、時間と費用が掛かるとの事。
日本では人件費が高いのですがこういう部分でも中国で作ればそれだけコストが下がるのが納得です。
実際に出来た金型。
この金型はアメリカ向けに輸出するとのこと。
超大型のプレス機です。金型を組み合わせたりする際に人間の力でははめ込めないので、こうした3000馬力のプレス機などを使ってはめこんでいきます。
それ以外にもこれだけたくさんの機械があり、1台1000万円としてもこれだけで数億円。。。
色々と見ている途中に金型についてや工場について疑問が浮かんだので色々聞いてみました。
中国の金型工場で色々聞いてみました
Q:どこのメーカーや国から依頼があるんですか?
細かい数字は教えてくれなかったのですが、全体の割合としては下記の通りのようです。
ヨーロッパ&北アメリカ:65%
日本:25%
中国:5%
その他:5%
Q:金型は日本が有名だと思いますが、日本からも依頼が来ているその技術力はどこで…?
代表の方が元々日系の会社で長年働いており、金型を学んだ技術があり、お客さんからもその技術を見込まれて別会社を作ったそうです。
だから、今も日本の車メーカーからも依頼がたくさん来ているとの事。
Q:金型の製作費用は日本と比べてどれぐらいで作れますか?
機械自体の値段は変わらないですが、自社に設計チームや品質管理チームなどすべて自社でしており、日本に比べても人件費が安いので1/2〜1/3程度という風に言っていました。
ちなみに、日本で金型と言えば、名古屋精密金型とか武田金型製作所が有名なのですが、以前とある商品の見積もりを取ってみたところ目が飛び出る金額でびっくりした経験があります。
Q:金型の製作費用、期間やロット数はどれぐらいですか?
金型製作の費用や値段は大きさが大きくなると、その分、費用も高くなります。
金型製作で約2ヶ月、また成形の個数も最低1000個からとなります。
もちろん、商品によって異なりますが、大体見積もりも1000個、3000個、5000個、1万個の場合が多いです。
日本だと1000個からだと割に合わないと断られたり値段が合わないところが多いのですが、こちらはかなり融通が効きますのでオススメです。
まとめ
今回ご紹介した中国の金型工場は、技術や品質は大手車メーカーからも依頼が来ているほどなので、技術や品質はピカイチです。
日本で金型製作の費用が合わない…という方は、ぜひ中国で作ってみてください。
最近は、車関係の部品など以外にも、日本から電気用品の部品などを作りたいなど。。注文もたくさん入ってきているようです。
尚、金型を使わずに、精密加工部品を中国で作ってみたいという方は、下記でも詳しい記事を書いていますので、ぜひご覧下さい。