中国で金属加工や精密部品を製作したいという相談をいただくことがあります。
「中国の金属加工工場って実際どんなところ?」
「日本から図面を渡すだけでも製作できる?」
「中国の工場へ直接発注して品質は大丈夫?」
初めて中国の工場へ依頼する場合、このあたりが気になると思います。
そこで今回は、中国・広東省の東莞にある金属加工・精密部品加工工場を実際に訪問してきました。
✓中国の金属加工工場の様子
✓実際に導入されている加工設備
✓工場で製作されていた精密部品
✓図面から見積もりを取る方法
✓サンプル製作から量産までの流れ
✓中国工場へ依頼するときの注意点
ネットで調べた工場情報ではなく、僕自身が実際に工場へ行って確認してきた内容を、当時撮影した写真と一緒に紹介します。
ちなみに、僕が実際に中国の工場を回っていたとき、現地の方から興味深い話を聞きました。
以前は日本人が中国に駐在し、現地工場との間に入って仕事を進めるケースも多かったそうです。
しかし、中国の製造業や現地工場が力を付けるにつれて、中国人経営者が日本企業から直接オーダーを受け、自社工場で製造するケースも増えてきているとのことでした。
つまり、
日本企業へ金属加工を依頼
↓
日本企業が中国の提携工場へ発注
↓
中国工場で実際に加工
↓
日本へ納品
というケースもあるということです。(もちろん、すべての日本企業がこのような形というわけではありません。)
ただ、僕自身、中国の工場を実際に訪問するようになってから、「それなら最初から中国の工場と直接やり取りする方法もあるのでは?」と考えるようになりました。
もちろん、中国工場と直接取引すれば必ず安くなるわけではありません。
工場とのやり取りや品質管理、検品、国際物流なども含めて考える必要があります。
それでも、実際に製造している工場を自分の目で確認し、直接コミュニケーションを取れることは、中国で製造するメリットの一つだと感じています。
中国・東莞の金属加工・精密部品加工工場へ
今回訪問したのは、中国・広東省の東莞にある金属加工・精密部品加工工場です。
東莞は深圳や広州にも近く、電子機器や金属加工、プラスチック成形、縫製など、さまざまな製造業の工場が集まっているエリアです。
僕自身、中国で商品開発やOEMに関わる中で工場へ行く機会は多いのですが、今回は金属加工を専門にしている工場を見せてもらいました。
建物は3階建てで、見た感じとしてはかなり年季の入っている建物でした。
最初に、会議室へ通され、工場のパンフレットを渡されました。
工場が出来た経緯、また今受けている商品の種類、また工場内で使っている加工機械の説明を受けました。※加工機械は最新の物ばかりで、機械の値段だけでも約1億円超えでした。
その後、工場の内部を見せてもらいました。
工場で使用されていた金属加工設備
今回訪問した工場では、さまざまな金属加工設備が導入されていました。
実際に工場内を案内してもらいながら、設備を見せてもらいました。
製品や加工の種類によって部屋が分かれているようでマシニングセンター、NC旋盤、研削盤、フライス盤、ワイヤーカットなど。。。
様々な機械がありました。
実際に工場で製作されていた精密部品
工場内には、実際に加工された金属部品やサンプルも展示されていました。
各部屋には加工途中の製品や図面が並べられていて、なんと、日本大手の車メーカの部品や大手電機メーカーの部品までもありました。
その他、今までどんな金属加工や精密部品加工を行ったのか?
サンプルルームも見せてもらいましたが、かなり細かい部品も綺麗に仕上がっていました。
実際に見積もりからサンプル製作まで依頼してみました
工場を見るだけでは実際の対応力までは分からないため、僕も実際に部品の見積もりを依頼してみました。
まず製作したい部品の図面を工場へ渡して、加工可能かどうかを確認してもらいます。
その後、仕様・数量などをもとに見積もりを出してもらいました。
見積もり内容に問題がなければ、いきなり大量生産するのではなく、まずサンプルを製作してもらいます。
僕が依頼したときは、サンプル製作に約1週間ほどかかりました。
中国の工場で、金属加工や精密部品加工を行う場合の流れは簡単に書くと下記の通りです。
①工場に図面もしくは今回作る商品に近いサンプルを提出
②工場から見積もりおよび納期の返事が来る
③サンプル料金(手付金)の支払い
④サンプルが出来上がって商品の確認
⑤量産を行い、問題なければ、残りの残金を払って、日本へ発送
今回は、既に作りたい形は決まっていて、他社が出している部品をサンプルとして渡して、変えて欲しい部分を口頭で説明しました。
すぐに見積もりは出なかったのですが、翌日見積もりが来て、価格的にもOKだったので、まずはサンプルを作ってもらいましたが、約1週間でサンプルが出来てきました。
見た目にもかなり精工に作られていて、仕上げも日本の車メーカーと同じレベルにまで仕上げてもらいました。
サンプルの写真を送って問題なければそのまま量産という形になります。
※自分の目で確認したい、と不安であれば、現地の工場まで見に来るか、サンプルを日本まで発送も可能です。
今回の発注については、部品がたくさんあったのですが、まずは1つの部品のみを発注後、品質に問題なかったので、後日、他の部品も発注するという形になりました。
中国だから必ず安いとは限らない
中国へ金属加工を依頼する理由として、コストを挙げる方は多いと思います。
実際、僕がこれまで見積もりを取った案件でも、日本よりコストを抑えられたケースはあります。
ただし、「中国なら日本の○分の1」と一律に考えるのはおすすめしません。
価格は、
・材質
・形状
・加工時間
・要求公差
・加工方法
・表面処理
・製作数量
・検査
・梱包
・国際送料
などによって大きく変わります。
また、単価だけ安くても、不良率が高かったり、再加工が必要になったり、納期が大幅に遅れたりすれば、結果的に高くなることもあります。
そのため、最終的には価格と品質のバランスで工場を判断することが重要です。
中国で金属加工を行う場合の費用や発注方法については、こちらの記事で詳しくまとめています。
ttps://wisdom21.info/1565.html
金型が必要な製品の場合
今回紹介しているのは、マシニングセンターやNC旋盤などを使った金属加工・精密部品加工が中心です。
一方、製品によっては量産するために金型を製作するケースもあります。
金型は初期費用が必要になりますが、同じ形状の部品を大量生産する場合には重要な製造方法の一つです。
僕自身、中国の金型工場も実際に訪問しています。
中国での金型製作については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
まとめ|中国の金属加工工場は実際に確認することが重要
今回は、中国・東莞にある金属加工・精密部品加工工場を実際に訪問した様子を紹介しました。
中国には数多くの金属加工工場があり、マシニング加工、NC旋盤、研削、フライス加工、ワイヤーカットなど、さまざまな加工に対応しています。
ただし、中国に工場がたくさんあるからこそ、工場選びは重要です。
✓必要な設備があるか
✓希望する加工を得意としているか
✓要求精度に対応できるか
✓サンプル品質に問題がないか
✓量産時の品質管理ができるか
こうした部分まで確認したうえで発注することをおすすめします。
僕自身も、工場を見るだけではなく、実際に図面を渡して見積もりを取り、サンプルを製作してから量産へ進めるようにしています。
中国での金属加工・精密部品加工についてご相談ください
中国で金属加工・精密部品加工を検討しているものの、
✓どの工場へ依頼すればいいか分からない
✓図面から中国工場へ見積もりを取りたい
✓日本で見積もりを取ったら予算が合わなかった
✓試作品・サンプルを中国で作ってみたい
✓小ロットから相談したい
✓中国工場とのやり取りが難しい
✓検品・品質管理まで相談したい
といった場合は、お問い合わせください。
僕自身、中国で商品開発・OEMに携わり、実際に現地工場への訪問、見積もり、サンプル製作、量産などを行ってきました。
ご相談内容を確認したうえで、対応可能な内容についてご案内します。